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PBW『エンドブレイカー!』シゾー・フイユ(c04150)の忘備録
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短くした髪が耳をくすぐる感触はひどく懐かしく感じる。

自分が悪い訳でもない。
誰かが悪いことをしたわけでも無い。
だから責任を感じてしまうのはきっと、言われたようにお門違いで、ただの自分のわがままで。
自己満足、なのだろう。これは。
それでも。


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 昼間は誰かしらがいて騒がしいキッチン。
 それに対し、真夜中は静かで誰もいない。
 窓からは夜空の光が差し込むだけの、灯りすらつけないその暗闇の中、少女は手に握ったフォークをじっと見つめる。
 早鐘のように心臓の音がうるさいのも、早くなる呼吸も、震える手もすべて無視して、一度だけ強く目をつぶり。覚悟を決めたように一度大きく息を吐いてそれから。
 それを己の目へと突き刺さんと振りかぶり──
短い自分の前髪をつまんで。
ちょっと思案。



……たまには、のばしてみようかな、なんて。
1日目
意識が朦朧として、ほとんど何も考えられなかった。
怪我が酷かったから、熱が出ていたせいもあったと思う。

2日目
熱は下がらなかったけど、思考はずいぶんとクリアになってきた。
それと同時に押しつぶされるような感情が胸の中で渦巻いて。
くやしいとか、後悔とか、憎いとか、嫌な感情ばかりが頭の中を回る。
寝てしまおうと、そう思っても見る夢は倒れる仲間の姿と虐殺の光景。
うなされて何度も起きて。傷の痛みに自分の生きていることを知る。

3日目
熱が下がってきた。
眠れなくて頭が痛い。でもこれは生きてる証拠で。生き残ってしまったという、証拠で。
見えていた終焉を覆せなかった後悔で自分の頭がおかしくなりそうだった。
分かっていたのに。自分の手はこぼれ落ちるものを拾うためにある物だと思っていたのに。
覆せなかった無力感。悔しくて悔しくて、泣いて。
毛布を頭までかぶって、祈る。
それでも、その日見た夢は赤い世界。

4日目
だいぶ体が楽になった。
まだ1日安静にしていろとのことなのでおとなしくベッドに寝転がる。
暇だと要らないことを考えてしまう。
ジェスターは逃がしてしまった。
決戦で拒絶対になった商人も、平和を求めた少女も救えなかった。
そしてその直後に、多くの人達を救えずに終わってしまった。
怖くてあの場所がどうなったか、聞けない自分に自嘲する。
ああ、嫌だな。
自分の小さな手を見て、また涙が出そうになって。
うつぶせに枕に顔をうずめる。

後悔はここの中だけで。
あとは、今後どうするかを考えなければ。
前に、進まなければいけない。
停滞は死を招く。

さぁ、笑え、自分。
表面だけでも元気に振る舞え、心配かけるのは、好きじゃないんだ。
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プロフィール
HN:
シゾー・フイユ(c04150)
性別:
非公開
自己紹介:
ciseaux_feuille□hotmail.co.jp
メッセです。
シゾーとお知り合いの方なら大歓迎。
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